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傍観者効果を防ぐヒント  

なぜ人を助けるのか? どうやって助けるのか?
「一体感」から「われわれ意識」まで:ヒーローになるには勇気が必要

スーザン・クラウス・ホワイトボーン博士(マサチューセッツ大学アマースト校の心理学・脳科学教授)

Psychology Today 2010年9月28日

原文はこちら

困っている人が助けを求めている緊急事態に直面した時、あなたはその人を助けるだろうか?

傍観者効果によると、緊急事態を傍観している人が多ければ多いほど、困っている人が助けてもらえる可能性は低くなる。

傍観者効果は約40年前に心理学者ビブ・ラタネとジョン・ダーレーによって最初に明らかにされた。この十分に検討された心理学の知見によると、困った事態に陥った時には、そこに大勢の人間がいるよりも、たった1人しかいない方がかえって良いということになる。

傍観者効果の研究は、キティ・ジェノバーズという若い女性がニューヨークのクイーンズ地区の路上で暴行され、殺されたという忌まわしい事件が1つのきっかけとなって行われた。

この事件は夜遅くに起こった。伝えられるところによれば、この時、ジェノバーズの隣人たちは、彼女の悲鳴を聞いていたにもかかわらず、傍観するだけで、残虐な暴行を阻止するようなことは何もしなかったのである。

現在でも多くの入門的な心理学の授業では、この事件を傍観者効果の例として取り上げている。

この事件は数えきれないほど多くの心理学の学生に広く伝えられ、この事件について教える教員もほぼ全員事実とみなしているため、事件の詳細は100%正確というわけではないと言うと驚いてしまうかもしれない。

何人かの隣人は助けようとしたが、多くは単に悲鳴が聞こえなかったか、事件を目撃しておらず、文字通り、隣人たちが彼女の生命を助けるためにできたことは何もなかったのである。

事件の事実はさておき、長年にわたって多くの研究で傍観者効果の原理を実証するエビデンスが報告されている。

研究を重ねても、傍観者の人数が多いほど、援助行動が起こりにくくなるという知見は支持され続けている。

研究では大学院生などの「サクラ」を被害者役にして、援助が必要な緊急事態のシナリオを演じてもらうことがある。

場合によっては、この緊急事態は被験者が見えないところで起こることがある。サクラははしごから落ちたり、大きな物を落としたりするが、被験者には物音が聞こえるだけで、何が起こっているかは見えない。

他の研究では、道路を歩いている1人または数人のグループに、道を尋ねるかお金を両替して欲しいと頼む。

2010年春、「NBCデイトライン」は「一体どういうつもり?(What were you thinking?)」というタイトルの番組を放送した。この番組では傍観者の研究が再現され、画面に映し出された結果には傍観者効果を支持する傾向が認められた。

傍観者効果を説明するために「責任の分散」という理論が提唱されている。

この理論では、人間というものは「助けられる誰かが他にいるなら、なんで自分が助けなきゃならないのか?」と考えるものであるとする。

そのため、援助に対する責任が拡散する。

油は広がれば広がるほど、その層は薄くなっていくが、それとちょうど同じように、責任感は大きな集団に属していると低下していく。

責任の分散と関連するものに「社会的手抜き」がある。

この理論は、人間というものは他者と一緒に仕事をする場合、仕事に注ぐ努力量を減らすというものである。

グループによるプロジェクトでは、個人の評価が行われないと個人の貢献度が低くなる。

傍観者に関する研究は数百件もの報告があるが、その中でいくつかの例外がある。それは、傍観者が傍観しているだけでなく、実際に被害者を助けたという例である。

非常事態に遭遇した集団が友人同士であった場合には、見知らぬ人間同士の集団の場合よりも被害者を助ける傾向が高かった。

また、援助を必要としている個人が友人であった場合、また、その個人が重要な点で自分達と同じであると集団がみなした場合には特に助ける傾向が高かった(Levine & Crowther, 2008。この文献のabstractの日本語訳は下記に)。

社会心理学者のロバート・チャルディーニは、共感は援助を求めている他者との「一体感」と直接結びついていると指摘している。また、他者を自分と同じ集団のメンバーだと思う「われわれ意識」の重要性を指摘する研究者もいる。

このアイデアは、イェール大学の心理学者ジョン・ドヴィディオらによって提唱された。彼らは、差別に関与する要因について詳細に研究している。

人間は、緊急事態で助けを求めている個人を自分達の集団に属するメンバーであるとみなすほど、援助の手を差し伸べるようになる。

傍観者は、援助行動が抑制されるという一般的な傾向を打破することもできる。そうすれば援助を求める個人の訴えを無視しようとする集団の影響力を低下させることができる。

小学校3年生~5年生の児童を対象とした大規模な研究では、いじめられやすい児童は、他の児童に守られている場合は教室でいじめられる傾向が低いことが示された(Karna et al, 2010。この文献のabstractの日本語訳はこちら)。

いじめられている児童を守ることができる児童は、特に共感能力が高い可能性がある。

親や教師も、他の子ども達を助けるよう促すことで支持的な環境をつくりだすことができる。

「NBCデイトライン」で取り上げられた他のエピソードでは、このような支持的な環境を促進する要因について情報が提供されていた。

一部の社会科学者は、我々のヒトゲノムには利他主義が(攻撃性ではなく)プログラムされていると考えている。

子どもであっても、たとえ見えるところに”ごほうび”がなかったとしても大人を助けるだろう。

また、昔に行われたバンデューラの古典的なモデリングの実験で示されたように、子どもは他者に対して乱暴に振る舞う大人を見ることで、攻撃的な行動をお手本にしてしまう。

2001年9月11日に、ユナイテッド航空93便で起こったことについて考えてみよう。

93便の乗客は自分の運命を自分の手でコントロールし、航空機とまではいかなくても、航空機が狙っていた標的を守るために協力してハイジャック犯に対抗した。

このような差し迫った状況で傍観者効果を克服するには、信じられないほどの勇気を必要とするが、このような行動ができる可能性が我々人間にあることは明らかである。

心理学は、緊急事態で援助行動を生じさせるための効果的な方法を提供できる。

緊急事態に介入するための効果的な方法を用いれば、恩恵を受けることができるだろう。


傍観者効果を防ぐためのヒント

1. 困った時には、集団の中から1人を選ぶ。

その1人と目を合わせることで、その人に「われわれ意識」を呼び起させる。

2. 自分が傍観者の時は、行動を起こす。

傍観者の時でも、誰かが最初に行動に移さなければならない。
自分がそういう人間になること。

3. 人間に生まれつき備わっている利他主義の傾向を利用する。

人間の最悪の面ではなく、最良の面を信じる。
多くの人間には助けたいという生まれながらの願望がある。
それゆえ、チャンスを与えられたら、助ける行動をとるだろう。

4. 援助した結果については悩まないようにする。

確かに、緊急事態に介入するということは、自分自身を危険にさらす場合がある。
しかし、援助しないという選択肢を選ぶと、自分の残りの人生を誰かを救えたかもしれないと思い悩みながら過ごすことになる。

5. 子どもや若者に対して利他主義や援助のモデルとなる。

大人がその状況の責任を引き受け、困っている人を助ける勇気を示すことで、子どもは大人から大切なことを学ぶだろう。
自分と同じ仲間である人間が困っていた時に助けるかどうかを決めるのは自分次第である。
私たちは、受身の傍観者にもなりえるが、踏み込んで介入することもできるのである。
私たち1人1人の中には勇敢に行動する能力が備わっている。


Levine & Crowther, 2008のabstractの日本語訳

傍観者が助ける時:社会集団のメンバーであるという意識と集団の大きさは、どのくらい傍観者による介入を促進または抑制するか

The responsive bystander: How social group membership and group size can encourage as well as inhibit bystander intervention.

Levine, M., & Crowther, S. (2008).

Journal of Personality and Social Psychology, 96, 1429-1439.

原文はこちら


4件の実験によって、集団の大きさ、社会的カテゴリー、傍観者の行動の相互作用について検討した。

研究1では、路上での暴力行為という場面で、傍観者が他人同士の場合には集団が大きくなると介入が抑制されるが、傍観者が友人同士の場合には介入が促進されることが示された。

研究2では、研究1の結果が社会的カテゴリーのメンバーという点でも再現され、適用できることが示された。

性的同一性が明白な場合、傍観者と被害者が同一の社会的カテゴリーに属するメンバー同士の場合には、集団の大きさが介入を促進していた。

さらに、集団の大きさは、援助行動を抑制または促進する文脈依存的な規準と相互作用していた。

研究3では、物理的に一緒にいることと性的同一性を用いて、社会的カテゴリーの影響を検討した。

女性では集団が大きくなると、女性の被害者に対して援助する傾向が高まったが、男性では集団が大きくなっても援助する傾向は高まらなかった。

さらに、外集団の傍観者の人数が増加すると、女性による介入は減少したが、男性による介入は増加した。

研究4では、現実場面の援助行動でも研究3の結果が再現された。

以上をまとめると、本研究の結果から、傍観者効果は集団の大きさに従って一様な影響をもたらすものではないことが示された。

傍観者が集団レベルで心理的な関係を共有している場合、集団の大きさは援助行動を抑制する場合もあれば促進する場合もある。

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Posted on 2015/07/26 Sun. 04:24 [edit]

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