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うつ病労働者の勤労不能の改善  

Cochrane Libraryの系統的レビューの結果から(2008年4月23日発表)

うつ病患者の労働衛生を改善する介入

Interventions to improve occupational health in depressed people

Karen Nieuwenhuijsen, et al.

原文はこちら


背景:

うつ病患者では、病欠などの勤労不能が認められることが多い。

目的:

うつ病労働者の勤労不能を改善することを目的とする介入の効果を評価すること。

検索方法:

2006年8月2日にCCDANCTR-StudiesとCCDANCTR-Referencesを検索、さらにCochrane Library CENTRAL register、MEDLINE、EMBASE、CINAHL、PsycINFO、OSH-ROM (Occupational Safety and Health)、NHS-EED、DAREを検索した。

選択基準:

本レビューでは、主要評価項目として病欠を用いて、うつ病患者における業務への介入および労働者を対象とした介入を検討した無作為化比較試験(RCT)とクラスターRCTを対象とした。

データ収集と解析:

2名の著者が独立してデータを抽出、試験の質を評価した。

可能な場合は、標準化平均差(SMD)と95%信頼区間(CI)を用いて試験結果を統合した。

主な結果:

11件の試験、2556人の被験者を対象とした。11件の試験はすべて労働者を対象とした介入を実施していた。

補助的な作業療法を用いて業務遂行の問題(work issues)に対処した試験は1件のみだった。

他の介入では、抗うつ薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬、セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害薬、三環系抗うつ薬、モノアミン酸化酵素阻害薬)、精神力動療法、プライマリケアの強化、心理療法が評価されていた。

薬物療法では、3件の試験(864人)の結果を統合したところ、病欠日に対する効果という点で抗うつ薬と他の薬剤との間に差は認められなかった(SMD:0.09、95%CI:-0.05~0.23)。

2件の試験(969人)を統合したところ、中期的にみて、病欠日に対するプライマリケアの強化の効果は、通常ケアとの間で差が見られなかった(SMD:-0.02、95%CI:-0.15~0.12)。

他の介入の比較に関しては、単一の試験(6人)に基づいた。

1件の小規模な試験以外では、すべての比較において、群間で病欠に有意差は認められなかった。

この小規模な試験では、精神力動療法+TCA(三環系抗うつ薬)の併用とTCA単独が比較され、併用療法の効果を支持する結果が認められた。

著者の結論:

異質な標本の試験に基づいていたため、現時点では、薬物療法単独、プライマリケアの強化、心理学的介入、または薬剤との併用療法のうつ病労働者の病欠に対する効果に関してはエビデンスが得られなかった。

今後のRCTでは、特に業務遂行の問題に対処した介入を行うべきであり、効果測定には業務上の評価項目を用いるべきである。


一般向けの要約

うつ病患者の労働衛生を改善する介入

病欠または労働機能の低下などの勤労不能は、うつ病患者でよく見られる問題である。

しかし、うつ病労働者の作業能力を改善する効果的な方法は明らかになっていない。

このレビューの目的は、うつ病労働者の勤労不能の改善における業務への介入および労働者を対象とした介入の効果を評価することであった。

11件の試験、2556人の被験者が同定された。

業務への介入を行った試験はなかった。

労働者を対象とした介入を行った試験のうち、介入中に特に業務遂行の問題に対処した試験は1件のみであった。しかし、その試験では、介入の効果が示されなかった。

試験が行われた他の介入は、抗うつ薬(4件の試験)、精神力動療法(1件の試験)、コンピューターによる認知的行動的介入(1件の試験)、問題解決療法(1件の試験)、プライマリケアの強化(3件の試験)だった。

1件の試験で、精神力動療法+三環系抗うつ薬の併用療法の効果が示されたが、他の試験では、短期でも長期の追跡でも効果は示されなかった。

結論としては、薬物療法単独またはプライマリケアの強化によりうつ病労働者の勤労不能が改善されることを示したエビデンスは認められなかった。

さらに、うつ病労働者の勤労不能の改善に心理学的介入が効果的か否かというエビデンスも得られなかった。


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Posted on 2014/03/14 Fri. 21:04 [edit]

category: うつ_Cochrane Library

tag: うつ  労働 
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小児と青年の抑うつの再発に有効な治療法とは?  


Cochrane Libraryの系統的レビューの結果から(2012年11月14日発表)

小児と青年におけるうつ病性障害の再燃と再発の予防的介入

Interventions for preventing relapse and recurrence of a depressive disorder in children and adolescents

Georgina R Cox, et al.

原文はこちら


背景:

うつ病性障害は、小児期または青年期に発症することが多い。

急性期のうつ病性障害への効果的な治療を支持するエビデンスの数は増加しているが、症状の寛解または回復に達した患者の抑うつ症状の再燃または再発を予防する治療に関してはほとんど分かっていない。

目的:

小児と青年において、うつ病性障害の再燃または再発を予防するための心理学的および薬理学的介入を含めた、早期介入の有効性を評価すること。

検索方法:

Cochrane Depression, Anxiety and Neurosis Review Group's Specialised Register (CCDANCTR)(2011年6月1日まで)を検索した。

CCDANCTRには、Cochrane Library(全期間)、EMBASE(1974年~現在)、MEDLINE(1950年~現在)、PsycINFO(1967年~現在)から関連する無作為化比較試験の報告が登録されている。

さらに、対象としたすべての試験および総説の参考文献を手作業で検索した。

選択基準:

小児および青年において、大うつ病性障害(MDD)または気分変調性障害(DD)のエピソードの再燃または再発を予防する目的で、心理学的介入または薬理学的介入を用いた無作為化比較試験を対象とした。

妥当性が検証され、標準化されている評価ツールを用いて、DSMまたはICDの基準に従ってMDDまたはDDの診断が下されている患者を対象とした。

データ収集と解析:

2名の著者が独立して、レビューに含める試験すべてを評価し、試験と評価項目のデータを抽出、試験の質を評価した。

評価項目の結果が二値変数の場合はオッズ比で、連続変数の場合は平均の差または標準化平均差で示した。

メタ解析のランダム効果モデルを用いて結果を統合し、95%信頼区間を示した。

レビューの対象とした試験の筆頭著者と連絡をとり、可能であれば、さらにデータを求めた。

主な結果:

9件の試験と882人の被験者をレビューの対象とした。

5件の試験では、評価項目の評価者が被験者の介入条件について盲検化されていたが、それ以外の試験では、この点に関して不明だった。

試験の大半では、介入条件に関して被験者を盲検化していなかったか、あるいは盲検化していたかどうかが不明だった。

また、割付けの隠蔽化に関しても試験の大半で不明だった。

すべての試験は、外来患者の被験者を治療したものであったが、試験で採用されたデザインは様々だった。そのため結果の一般化可能性には限界がある。

抗うつ薬とプラセボを比較した3件の試験では、再発予防期間中の抗うつ薬の再燃・再発率(40.9%)は、プラセボ(66.6%)よりも低いことが示された(オッズ比[OR]:0.34、95%信頼区間[CI]:0.18~0.64、P=0.02)。

心理療法+薬物治療の併用療法と薬物療法のみを比較した1件の試験では、薬物療法を上回る効果が併用療法に認められたが、この結果は統計学的な有意性に達していなかった(OR:0.26、95%CI:0.06~1.15)。

抗うつ薬に関する試験のほとんどでは、自殺に関連する行動を含む有害事象が報告された。

しかし、十分なデータがなかったために、どの治療法の有害事象のプロフィールが最も望ましいのかは明らかにならなかった。


著者らの結論

現在のところ、小児と青年の抑うつエピソードの再燃または再発の予防に、どのタイプの治療アプローチが最も効果的かということに関して結論が下せるようなエビデンスはほとんどない。

少数の試験で、抗うつ薬により将来の再燃-再発の可能性が低下することが見いだされたが、試験のデザインにかなりの相違が認められ、これにより試験全体でのアウトカムの比較が困難であった。

心理療法に関する一部の試験は有望であるが、現時点では、心理療法についてさらに検討するために、症例数を増やして試験を実施する必要がある。


一般向けの要約

小児と青年において抑うつの再発を予防するための治療

うつ病性障害と診断された小児と青年には、抑うつ症状の再燃または再発が認められることが多い。

小児または青年が最初に抑うつエピソードから寛解または回復に至った後、再発の予防にどの治療アプローチが最も効果的かということに関してはほとんど分かっていない。

このレビューでは、小児および青年において、うつ病性障害の再燃または再発を予防するための心理的、社会的および薬理学的介入を含めた早期介入の有効性を検討することを目的とした。

このレビューでは、小児および青年を対象として、将来の抑うつエピソードのリスク低下における抗うつ薬と心理療法の有効性を評価した9件の試験を対象とした。

これらの試験はその質と方法論的なデザインという点で違いがあったため、その結果から結論を導き出すには限界があった。

まとめると、このレビューでは、小児と青年が抑うつエピソードを再発する可能性は、プラセボよりも抗うつ薬の方が低いことが見いだされた。

心理療法も、将来の抑うつエピソードを予防する治療として有望と思われるが、試験の質とデザインに関して上述したような問題があり、またこのレビューの対象とした試験が少数であったことを踏まえると、現時点で心理療法がどのくらい効果的なのかということについては不明である。

Posted on 2014/03/09 Sun. 01:38 [edit]

category: うつ_Cochrane Library

tag: うつ  小児  青年  再発 
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うつ病の治療に家族療法は有効か?  


Cochrane Libraryの系統的レビューの結果から(2007年7月18日発表)

うつ病における家族療法

Family therapy for depression

Tamara Henken, et al.


原文はこちら


背景:

うつ病患者は、対人関係の問題を抱えていることが多い。。

家族療法はうつ病に対する介入として広く用いられているが、うつ病治療に効果的な治療法であるかどうかは不明である。

目的:

うつ病に対する家族療法の有効性を評価すること。

検索方法:

以下の電子データベースを特別な検索戦略を用いて検索した。CCDANCTR-StudiesとCCDANCTR-References(2005年10月21日に検索)、The Cochrane Central Register of Controlled Trials、Medline(1966年~2005年1月)、EMBASE(1980年~2005年1月)、Psycinfo(1974年~2005年1月)。

また、論文の参考文献リストも検索した。

関連する学術誌と参考文献を手作業で検索し、このレビューの対象とした試験の第一著者およびこの分野の専門家に連絡を取って、さらなる情報を得た。

選択基準:

レビューの対象とした試験は、家族療法と無介入または他の介入とを比較し、うつ病の症状を主要評価項目とした無作為化比較試験および比較試験とした。

データ収集と解析:

2名の著者が独立して、Maastricht-Amsterdam Criteria Listを用いて、方法論的な質を評価した。

3名の著者が独立して、標準化されたデータ抽出の形式を用いて、選択した試験の質的および量的な指標を抽出した。

利用可能なエビデンスの強さを判定するために、エビデンス・レベルを用いた。

選択した試験には異質性が認められたため、メタ解析を行うことはできなかった。

主な結果:

計519人のうつ病患者を対象とした、3件の質の高い試験と3件の質の低い試験が同定された。

これら試験は、介入、被験者、測定方法の点で異質性が高かった。

一部の研究では、方法論的な質がかなり高く、結果が肯定的であったが、うつ病に対する家族療法の効果に関するエビデンスは、3件の試験を統合せず、それぞれの結果に基づくと、中等度のエビデンス(レベル2)が得られた他は、レベル3(エビデンスに限界があるか、矛盾している)を超えなかった。

これは、無治療または待機リスト条件よりも、家族療法がうつ病の軽減と家族機能の改善に効果的であることを示すものである。

著者の結論:

現行のエビデンスの基盤は、異質性が高く、かつ薄弱であるため、うつ病治療における家族療法の全体的な効果について結論を導き出すことはできない。

現時点では、うつ病治療で心理的介入を用いることは、すでにエビデンスの基盤があるため、家族療法より望ましいと思われる。

明確に定義された形式での家族療法の有効性と比較に基づく効果を検討する、さらに質の高い試験を実施する必要がある。

一般向けの要約

うつ病に対する家族療法

このレビューでは、家族療法が、年齢を問わず、うつ病患者の治療において効果的な介入かどうかを検討した。

うつ病に対する家族療法は、特に英国と米国で広く用いられている。

このレビューの対象とした無作為化比較試験の数が少なく、非常に異質性が高かったため、統合することが難しかった。
家族療法は、無治療または待機リスト群よりも効果的と思われるが、他の介入と比較して、どのくらい効果的なのかについては不明なままである。

さらなる無作為化比較試験の実施が必要である。

Posted on 2014/02/20 Thu. 20:53 [edit]

category: うつ_Cochrane Library

tag: うつ  家族療法 
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エクササイズは小児と青年の不安・抑うつに効果的か?  


Cochrane Libraryの系統的レビューの結果から(2006年7月19日発表)

小児と青年での不安および抑うつの予防と治療におけるエクササイズ

Exercise in prevention and treatment of anxiety and depression among children and young people

Lillebeth Larun, et al.

原文はこちら


背景:

抑うつと不安は、小児と青年でよく見られる心理的な問題である。

最も多く行われる治療は、心理学的な治療(例えば心理療法)、心理社会的な治療(例えば認知行動療法)、生物学的な治療(例えばSSRIまたは三環系薬剤)である。

治療的介入は多岐にわたり、そのために臨床効果と副作用に関して疑問が生じている。

エクササイズはコストが低く、たとえあったとしても、副作用は少ない。

目的:

20歳以下の小児と青年での不安または抑うつの軽減、予防におけるエクササイズによる介入の効果を評価。

検索方法:

2005年8月までのCochrane Controlled Trials Register(利用可能な最新の試験)、MEDLINE、EMBASE、CINAHL、PsycINFO、ERIC、Sportdiscusを検索した。

選択基準:

20歳以下の小児と青年において、抑うつと不安を評価項目とした、負荷の高いエクササイズによる介入に関する無作為化試験。

データ収集と解析:

2名の著者が独立して解析に含める試験を選択し、方法論的な質を評価して、データを抽出した。

試験を統合し、メタ解析を用いた。

報告されたデータを統計学的に統合できなかった場合は、ナラティブ統合(narrative synthesis)を行った。

主な結果:

16件の試験、計1191人の11~19歳の被験者を対象とした。

11件の試験で、小児の一般集団を対象として、負荷の高いエクササイズと無介入が比較されていた。

不安得点を報告した6件の試験では、エクササイズ群の効果は有意ではなかった(標準化平均差[SMD][ランダム効果モデルによる]:-0.48、95%信頼区間[CI]:-0.97~0.01)。

抑うつ得点を報告した5件の研究では、エクササイズ群の効果を支持する統計学的な有意差が認められた(SMD[ランダム効果モデルによる]:-0.66、95%CI:-1.25~-0.08)。

しかし、すべての試験は全体的に方法論的な面で質が低く、対象集団、介入、用いられた測定方法に関して異質性が高かった。

治療中の小児を対象とした1件の小規模な試験では、抑うつ得点で対照群の効果を支持するような統計学的な有意差は認められなかった(SMD[固定効果モデルによる]:0.78、95%CI:-0.47~2.04)。

治療中の小児の不安得点を報告した試験はなかった。

小児の一般集団を対象とし、負荷の高いエクササイズと軽度のエクササイズを比較した5件の試験では、抑うつ得点と不安得点に統計学的な有意差は認められなかった。

3件の試験では、不安得点が報告されていた(SMD[固定効果モデルによる]:-0.14、95%CI:-0.41~0.13)。

2件の試験では、抑うつ得点が報告されていた(SMD[固定効果モデル]:-0.15、95%CI:-0.44~0.14)。

治療中の小児を対象とした2件の小規模の試験では、抑うつ得点に差は見られなかった(SMD[固定効果モデル]:-0.31、95%CI:-0.78~0.16)。

治療中の小児で不安得点を報告した試験はなかった。

小児の一般集団を対象として、エクササイズと心理社会的介入を比較した4件の試験では、抑うつ得点と不安得点に統計学的な有意差は認められなかった。

2件の試験で不安得点が報告された(SMD[固定効果モデルによる]:-0.13、95%CI:-0.43~0.17)。

2件の試験で抑うつ得点が報告された(SMD[固定効果モデルによる]:0.10、95%CI:-0.21~0.41)。

治療中の小児を対象とした1件の試験では、抑うつ得点に差は認められなかった(SMD[固定効果モデルによる]:-0.31、95%CI:-0.97~0.35)。

治療中の小児で不安得点を報告した試験はなかった。

著者の結論:

小児と青年の一般集団において、エクササイズには抑うつ得点と不安得点を低下させる効果があるように思われるが、その効果は小さく、また解析対象とした試験が少数であること、被験者、介入、測定方法が臨床的に多様であることから、結論を導き出すには限界がある。

エクササイズの負荷が高いか低いかには大差がない。

不安および抑うつで治療中の小児におけるエクササイズの効果は、エビデンスの基盤が不十分なために不明である。


一般向けの要約

小児と青年での不安および抑うつの予防と治療におけるエクササイズ

エクササイズは、抑うつと不安の予防および治療の積極的な戦略として奨励されている。

今回のレビューでは、試験データが乏しく、また主に大学生を対象に試験が実施されていることが見いだされた。

健常な小児を対象とした6件の小規模な試験では、無介入よりもエクササイズの方が不安得点を低下させることが示された。

5件の小規模な試験では、無介入よりもエクササイズの方が抑うつ得点を低下させることが示された。

治療中の小児を対象とした研究基盤は不十分であり、抑うつでエクササイズの効果を検討した試験は小規模で、3件しか実施されていなかった。

Posted on 2014/02/19 Wed. 19:23 [edit]

category: うつ_Cochrane Library

tag: うつ  不安  身体活動  小児  青年 
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エクササイズはうつ病に効果的か?  

Cochrane Libraryの系統的レビューの結果から(2013年9月12日発表)

うつ病におけるエクササイズ

Exercise for depression

Gary M Cooney, et al.


原文はこちら


背景:

うつ病は、よく見られる疾患であり、世界中で不健康状態と死亡の重要な原因となっている。

うつ病では、一般的に抗うつ薬および/または心理療法による治療が行われるが、エクササイズなどの他のアプローチを好む患者もいる。

エクササイズによってうつ病が改善される可能性があるとする理論的な根拠がいくつかある。

これは、2009年に最初に発表された以前のレビューの改訂版である。

目的:

成人のうつ病治療における無治療または対照の介入と比較した場合のエクササイズの有効性を判定。

検索方法:

2012年7月13日までのCochrane Depression, Anxiety and Neurosis Review Group's Controlled Trials Register (CCDANCTR) を検索した。

このRegisterには、以下の書誌データベースから関連する無作為化比較試験が登録されている。Cochrane Library(全期間)、MEDLINE(1950年~現在)、EMBASE(1974年~現在)、PsycINFO(1967年~現在)。

また、www.controlled-trials.com、ClinicalTrials.gov、WHO International Clinical Trials Registry Platformでも検索した。

日付不明または言語制限のある研究も検索に加えた。

さらに、2013年3月1日までのCCDANCTRを検索し、まだ登録されていない適格な可能性のある試験は「分類待ち」としてリストに載せた。

選択基準:

うつ病(試験の著者によって定義)の成人(18歳以上)を対象に、エクササイズ(American College of Sports Medicineの基準で定義)と標準治療、無治療またはプラセボ治療、薬物治療、心理療法、または他の積極的治療を比較した無作為化比較試験とした。

また、クラスター試験と個人を無作為化したクラスター試験も選択した。

産後うつ病の試験は除外した。

データ収集と解析:

本レビューの2名の著者が、試験および追跡の終了時点(利用可能な場合)での主要評価項目および副次評価項目に関するデータを抽出した。

全体の統合した(pooled)効果では、Hedges' g法と標準化平均差(SMD)を用いて、二値データではランダム効果モデルのリスク比を用いて、試験ごとに効果量を算出した。

うつ病を評価するために複数の様々なツールが用いられていた場合には、主要評価項目のみをメタ解析に含めた。

エクササイズの「量」が複数記載されていた場合は、最も大きな「量」のデータを用いた。また、低い「量」のデータを用いて感度分析を行った。

うつ病の診断方法(診断面接または尺度のカットオフ値)、エクササイズの強度、エクササイズのセッション数が効果量に及ぼす影響を検討するためにサブグループ解析を行った。

2名の著者が「バイアスのリスク」について評価した。

感度分析によって、研究の質が評価項目に影響を与えているか検討した。

主な結果:

39件の試験(2326人の被験者)が、本レビューの選択基準を満たしていた。そのうち37件の試験のデータをメタ解析で用いた。

多くの試験で複数のバイアスの原因が認められた。14件の試験で無作為化が適切に隠蔽化されており、15件でintention-to-treat解析が行われていた。また、12件で評価項目を盲検化した評価者を用いていた。

エクササイズと無治療または対照の介入を比較した35件の試験(1356人の被験者)で、治療終了時点でのうつ病に関する主要評価項目の統合したSMDは、-0.62(95%信頼区間[CI]:-0.81~-0.42)であった。これは中等度の臨床効果を示すものである。

中等度の異質性(I(2) = 63%)が認められた。

適切な割付けの隠蔽化、intention-to-treat解析、評価項目を盲検化した評価を行っていた6件の試験(464人の被験者)のみを解析したところ、主要評価項目の統合したSMDは、統計学的に有意ではなかった(-0.18、95%CI:-0.47~0.11)。

気分に関する長期的な追跡データを報告した8件の試験(377人の被験者)から統合したデータでは、わずかではあるが、エクササイズの効果が認められた(SMD:-0.33、95%CI:-0.63~-0.03)。

29件の試験で治療の受容性が報告されていた。3件の試験ではQOLが報告されており、コストについて報告されていた試験はなかった。また6件で有害事象が報告されていた。

治療の受容性(介入中の脱落者の人数で評価)のリスク比は1.00(95%CI:0.97~1.04)であった。

エクササイズと心理療法を比較した7件の試験(189人の被験者)を解析したところ、有意差は認められなかった(SMD:-0.03、95%CI:-0.32~0.26)。

エクササイズと薬物治療を比較した4件の試験(300人の被験者)の解析でも、有意差は認められなかった(SMD:-0.11、95%CI:-0.34~0.12)。

1件の試験(18人の被験者)では、エクササイズが高照度光療法より効果的なことが報告されていた(平均差[MD]:-6.40、95%CI:-10.20~-2.60)。

解析対象とした試験ごとに、2名の著者が独立して、Cochrane Collaborationの「バイアスのリスク」ツールに従ってバイアスの原因を評価した。

エクササイズの試験では、介入を受ける者と介入を行う者を盲検化する際に、こういった試験特有の問題がある。

多くの試験では、介入後の解析のための手法として、参加者による自己報告式の評価尺度を用いていた。これは結果にバイアスが生じる可能性がある。

著者の結論:

エクササイズには、うつ病の症状の軽減において、対照群の介入と比較すると中等度の効果が認められた。しかし、方法論的に頑健な試験のみで解析した場合には、エクササイズの効果はわずかであった。

心理療法または薬物治療と比較した場合には、エクササイズにこの両者を上回る効果は示されなかった。しかし、この結論は、数件の小規模の試験に基づいたものである。



一般向けの要約

うつ病におけるエクササイズ

このレビューの重要性:

うつ病は、よく見られる機能障害性の疾患であり、世界中で1億人以上が罹患している。

うつ病は、患者の身体的な健康に重大な影響を及ぼし、またQOLを低下させる。

研究では、薬物治療と心理療法がうつ病の治療に効果的であることが示されている。

しかし、他の治療法を試みようとする患者は多い。

NHSのガイドラインの一部では、エクササイズが、もう1つの治療選択肢となりうる可能性が示唆されている。

しかし、エクササイズがうつ病の効果的な治療であると研究によって実際に示されるかどうかは分からない。


このレビューに関心を抱くと思われる集団:

うつ病に罹患している患者や家族。
一般開業医。
精神保健の政策立案者。
精神保健施設の専門家。


このレビューで取り上げる疑問点:

このレビューは、2010年のCochraneレビューの改訂版である。そのレビューでは、エクササイズは、うつ病の症状を軽減させることができるが、その効果は小さく、患者が運動を止めた後には、その効果は持続しないと考えられると示唆されていた。

このレビューでは、以下の疑問に回答できるように、最後のレビュー以降、うつ病治療としてのエクササイズの効果に関する試験の実施が増えているかどうかを明らかにしようとした。

エクササイズは、うつ病の症状の軽減において無治療よりも効果的か?

エクササイズは、うつ病の症状の軽減において抗うつ薬よりも効果的か?

エクササイズは、うつ病において心理療法または他の非医学的な治療よりも効果的か?

エクササイズはうつ病の治療として患者にどのくらい受容されているか?


このレビューで対象とした研究:

検索データベースを用いて、18歳以上の成人を対象に、エクササイズがうつ病の治療にどのくらい効果があるかについて検討した、質の高い無作為化比較試験をすべて探し出した。

2013年3月までに発表された研究を検索した。

また、2013年3月の時点で進行中の研究も検索した。

すべての研究は、うつ病と診断された成人を対象としていなければならず、実施された身体活動は、『エクササイズ』の定義を満たすことを保証するために、基準に合致していなければならなかった。

このレビューでは、39件の研究、合計2326人の被験者を対象とした。

一部の研究では質が低く、これにより、今回の結果の信頼度には限界がある、とこのレビューの著者らは報告した。

質の高い試験のみを対象とした場合、エクササイズには、気分に対してわずかな効果しか認められず、それは統計学的に有意ではなかった。


このレビューのエビデンスから何が分かるか?

エクササイズは、うつ病の症状の軽減において、無治療よりもやや効果的である。

エクササイズは、うつ病の症状の軽減において抗うつ薬よりも効果的ではなかった。しかし、この結論は少数の試験に基づいたものである。

また、エクササイズは、うつ病の症状の軽減において心理療法よりも効果的でなかった。しかし、この結論も少数の試験に基づいたものである。

また、質の高い試験だけを対象としたところ、エクササイズと無治療の差は決定的なものではなかったことが報告されている。

エクササイズ治療への参加率の範囲は50%から100%であった。

うつ病治療でのエクササイズが、QOLを改善するかどうかというエビデンスに関しては結論が出なかった。


今後の展開:

今回のレビューの著者らは、今後の研究では、どのタイプのエクササイズがうつ病患者に最も有益であるか、また最も有益なセッションの回数と期間についてさらに詳しく検討すべきであると推奨している。

エクササイズが抗うつ薬または心理療法と同程度に効果的であるかどうかを明らかにするためには、さらに大規模な試験の実施が必要である。

Posted on 2014/02/17 Mon. 22:03 [edit]

category: うつ_Cochrane Library

tag: うつ  身体活動 
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