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敵意により消化性潰瘍のリスクが上昇:フランスのプロスペクティブ研究から  

Health Psychology誌(2015年2月)から

GAZELコホートにおける敵意と消化性潰瘍のリスク

Hostility and the risk of peptic ulcer in the GAZEL cohort.

Lemogne C, et al.

Health Psychology, Vol 34(2), Feb 2015, 181-185

原文はこちら

目的:

敵意と消化性潰瘍の関連に関するエビデンスは、主に横断的研究によって得られたものである。

プロスペクティブ研究はほとんどなく、敵意の測定も妥当性が検証された評価尺度が用いられていない。

本プロスペクティブ研究では、大規模なフランスのGAZELコホートで、敵意と消化性潰瘍との関連を検討することを目的とした。

方法:

1993年に、14,674人の被験者を対象に、Buss and Durkee Hostility Inventoryを用いた調査を実施した。

1994年~2011年まで年1回、被験者を追跡した。

消化性潰瘍の診断は自己報告とした。

敵意スコアと潰瘍発生率との関連は、Cox回帰で算出したハザード比(HR)と95%信頼区間(95%CI)で評価した。

結果:

平均16.8年の追跡期間中に、ベースライン時に消化性潰瘍の既往歴のない13,539名のうち816名が消化性潰瘍を報告した。

喫煙、職業的な地位、非ステロイド性抗炎症薬曝露の代理的指標などの潜在的な交絡因子を補正したところ、潰瘍発生率と敵意の総スコアとの間に正の関連性が認められた(HR per SD:1.23、95%CI:1.14~1.31)。

また、総スコア以外に潰瘍発生率との関連が認められたのは、行動的敵意(HR per SD:1.13、95%CI:1.05~1.21)、認知的敵意(HR per SD:1.26、95%CI:1.18~1.35)、イライラ感(HR per SD:1.20、95%CI:1.12~1.29)であった。

敵意の全スコアにおいて、最低四分位から最高四分位にかけて消化性潰瘍のリスクが上昇していた(p for linear trend<0.05)。

結論:

敵意は消化性潰瘍のリスク上昇と関連する可能性がある。

今回の結果は追試されるべきであり、今後の研究では、基礎的なメカニズムを明らかにする必要があるだろう。

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Posted on 2015/02/21 Sat. 22:19 [edit]

category: 2015年2月号_Health Psychology誌

tag: 敵意  疾患リスク 
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乳癌患者に対する認知行動的ストレスマネジメントは抑うつ症状を軽減:追跡5年の結果  

Health Psychology誌(2015年2月)から

乳癌における認知行動的ストレスマネジメントに関する無作為比較試験:5年間の抑うつ症状に対する効果の短報

Randomized controlled trial of cognitive behavioral stress management in breast cancer: A brief report of effects on 5-year depressive symptoms.

Stagl JM, et al.

Health Psychology, Vol 34(2), Feb 2015, 176-180.

原文はこちら

目的:

元乳癌患者はストレスを経験し、初期治療後は抑うつ症状のリスクが高い。

非転移性乳癌(BCa)の術後に、認知行動的ストレスマネジメント(CBSM)などの集団による介入を提供したところ、12ヵ月の追跡中に抑うつ症状の軽減が認められたことが報告されている。しかし、このような心理社会的介入のさらに長期的なベネフィットを検討した研究はほとんどない。

本試験は、先行試験(#NCT01422551)の5年間の追跡試験であり、非転移性BCaの術後に行われた集団ベースのCBSMが抑うつ症状を軽減するか検証した。

方法:

ステージ0~IIIbのBCa女性(240例)を術後2~10週で募集し、10週間のCBSM介入群または1日の心理教育を行う対照群に無作為化した。

研究登録から5年後に女性と再度連絡をとり、130例が追跡試験への参加に同意した。

抑うつ症状は、Center for Epidemiologic Studies-Depression scale (CES-D)で評価した。

関連する共変量を含め、追跡5年でのCES-Dの群間差を検討するために、分散分析とANCOVAを行った。

結果:

CBSM群では、対照群よりも追跡中の抑うつ症状が有意に軽減されていた(CBSM群:M=9.99、SE=0.93、対照群:M=12.97、SE=0.99、p=0.030)。

共変量を含めても、この群間差は有意なままであった(p=0.012)。

結論:

追跡5年の時点で、BCaの術後にCBSMを受けた女性では、対照群よりも抑うつ症状が軽減されていた。

BCaの元患者では、治療早期に行う心理社会的介入が、長期的な精神的健康状態(well-being)に影響を与える可能性がある。

Posted on 2015/02/21 Sat. 21:54 [edit]

category: 2015年2月号_Health Psychology誌

tag:   うつ  ストレス  認知行動療法  無作為化試験 
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肥満は体重スティグマを介して主観的な健康に否定的な影響を及ぼす  

Health Psychology誌(2015年2月)から

体重スティグマはBMIと自己報告による健康との関連を媒介する

Weight stigma mediates the association between BMI and self-reported health.

Hunger JM, Major B

Health Psychology, Vol 34(2), Feb 2015, 172-175.

原文はこちら

目的:

体重スティグマは米国に浸透している。

本研究では、スティグマという心理過程を介して、肥満は自己報告の健康に否定的な影響を及ぼすという仮説を検証した。

2つの研究で、体重による差別の認知と体重スティグマに対する懸念が、BMIと自己報告による精神的健康との関連(研究1)およびBMIと身体的健康との関連(研究2)を媒介するかどうかを検討した。

方法:

2つのオンラインでの研究で、成人の地域住民を対象に、スティグマに関する媒介因子(体重による差別の認知、体重スティグマへの懸念)を測定し、加えて身長と体重の情報を得た。

研究1では、171名の被験者を対象に、精神的健康(抑うつ、自尊感情、QOL)について測定した。

研究2では、194名の被験者を対象に、自己報告による身体的健康を測定した。

差別の認知とスティグマへの懸念の各変数が独立して媒介しているか、また両変数が連続的に媒介しているかを同時に検証するために、プロセス・モデリングを用いた。

結果:

2つの研究で、連続的な媒介を支持する結果が認められた。つまり、BMIは、差別の認知とスティグマへの懸念に対して影響を及ぼし、その影響を介して自己報告による健康度の低さと間接的に関連していた。

さらに、スティグマに対する懸念は、差別の認知とは独立して、BMIと健康との関連を媒介していた。

結論:

体重スティグマは、BMIと自己報告による健康との関係を媒介する重要な因子である。

さらに、今回の結果から、将来スティグマに直面することへの懸念は、過去の差別体験の認知と心身の健康との関係を媒介していることが示唆された。

Posted on 2015/02/21 Sat. 21:27 [edit]

category: 2015年2月号_Health Psychology誌

tag: 肥満  スティグマ  精神的健康  身体的健康 
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補助金によりHPVワクチン接種率が上昇:英国の無作為比較試験の結果  

Health Psychology誌(2015年2月)から

HPVワクチン接種率を増加させるための補助金:無作為比較試験。

Financial incentives for increasing uptake of HPV vaccinations: A randomized controlled trial.

Mantzari E, et al.

Health Psychology, Vol 34(2), Feb 2015, 160-171.

原文はこちら

目的:

英国における17~18歳の少女のヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種率は、目標(80%)を下回っている(35%未満)。

本試験では、(a)HPVワクチンの接種と接種プログラムの完了に対する補助金の効果、(b)その効果が被験者の(物質的および社会的)剥奪レベルによって調整されるかどうかを評価した。

また、ワクチン接種を受けるという意思決定の質に対する補助金の影響についても評価した。この意思決定の質は、ワクチン接種に対する態度とワクチン接種の結果についての知識によって測定した。

方法:

1000名の16~18歳の少女に、HPVワクチン接種プログラムに参加するよう案内状を出した。このうち500名はこれまで案内を受け取ったことがなく(初回案内集団)、残り500名はこれまでの案内に反応したことがなかった(無反応集団)。

少女らは、標準的な案内状(対照群)もしくは3回のワクチン接種を受けられる45ポンド(56ユーロ、73ドル)のクーポン券が同封された案内状(介入群)のいずれかを無作為に受け取った。

初回のワクチン接種に参加した少女を対象に、ワクチン接種を受けるという意思決定の質を評価する質問紙調査を実施した。

評価項目は、初回および3回目のワクチン接種と意思決定の質とした。

結果:

補助金を用いた介入により初回の接種率が上昇していた(初回案内集団の介入群:28.4%、対照群:19.6%、オッズ比[OR]:1.63、95%信頼区間[CI]:1.08~2.47)(無反応集団の介入群:23.6%、対照群:10.4%、OR:2.65、95%CI:1.61~4.38)。

また、3回目の接種率も上昇していた。(初回案内集団の介入群:22.4%、対照群:12%、OR:2.15、95%CI:1.32~3.50)(無反応集団の介入群:12.4%、対照群:3%、OR:4.28、95%CI:1.92~9.55)。

介入の影響は、剥奪のレベルによって調整されていなかった。

意思決定の質は、介入の影響を受けていなかった。

結論:

今回の介入によってHPVワクチン接種の完了は増加したが、接種率は国の目標よりも低いままだった。費用対効果や受け入れやすさという問題に加えて、目標を達成するためには他の方法も考慮する必要がある。

この論文はFull textが公開されています。

Full textはこちら



Posted on 2015/02/20 Fri. 18:49 [edit]

category: 2015年2月号_Health Psychology誌

tag: 保健行動  保健メッセージ    ワクチン接種  金銭的支援  無作為化試験 
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自己肯定化は、意思と行動に対する保健メッセージの効果に影響を及ぼす  

Health Psychology誌(2015年2月)から

自己肯定化と保健メッセージに対する反応:意思と行動に関するメタ解析

Self-affirmation and responses to health messages: A meta-analysis on intentions and behavior.

Sweeney AM, Moyer A

Health Psychology, Vol 34(2), Feb 2015, 149-159.

原文はこちら

目的:

本研究では、意思と行動の両者に及ぼす保健メッセージの効果に自己肯定化の操作がどのくらい影響を及ぼしているかを定量化することを目的とした。

方法:

脅迫的な保健メッセージを読む前に自己肯定化した被験者と自己肯定化しなかった被験者を比較した実証研究を系統的に検索した。

保健に対する意思と行動への効果量をランダム効果モデルを用いて統合した。

結果:

16件の研究のデータを解析対象とした。

意思と行動に対するaggregate効果量は有意ではあったが、小さかった(意思に対する効果量:d+=0.26、95%信頼区間[CI]=0.04~0.48、行動に対する効果量:d+=0.27、95%CI=0.11~0.43)。

意思と行動の両者を評価した研究でメタ回帰分析を行ったところ、意思の効果量は、行動の効果量を予測していないことが明らかとなった(β=0.03、95%CI=-0.30~0.36)。

保健行動のタイプ(損害 vs. 促進)、保健行動のタイミング(近い vs. 遠い)、自己肯定化の操作のタイプ(価値 vs. 優しさ)、保健メッセージの特異度(単一の健康問題 vs. 複数の健康問題)は、意思または行動に対する自己肯定化の影響を調整していなかった。

結論:

自己肯定化は、意思と行動に対する保健メッセージの効果に影響を与えている。

ただし、本研究では、意思の効果量が行動の効果量を予測しておらず、保健行動の変化に関する先行研究では、意思が常に行動に転換されるわけではないことが示されていることから、自己肯定化の研究で、意思-行動関係が因果関係であることを支持する研究はほとんどない。

今後の研究では、自己肯定化が保健行動の変化を引き起こす理由を特定の保健に関連した反応によって説明できるかどうかを検討する必要がある。


Posted on 2015/02/20 Fri. 17:38 [edit]

category: 2015年2月号_Health Psychology誌

tag: 保健メッセージ  自己肯定化  メタ解析  保健行動 
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